森林環境譲与税を本格的にスタートしたことにより、実際の森林整備を行なう機会が増えています。神戸市内には森林を専門的に整備する事業者はいませんが、造園事業者の中には、神戸の緑、緑地を保全していく意味から関心をもっている事業者もいます。しかしながら、造園は、主として街の中の仕事ですし、建設事業としての施工管理に慣れているところもあり、山の仕事を実際に学ぶたいという希望がありました。

 このため、神戸市が兵庫県森林組合連合会に委託して、事業者講習を実施しました。ある意味、山の中での精度ということもあり、アナログの部分もあるのですが、コンパス測量と広葉樹での選木実習で、これに立ち会いさせてもらいました。場所は神戸市北区淡河町です。

コンパス測量の精度は高くはありませんが、急な斜面も多く、見通しが十分きかない箇所も大きい現場では、十分な機器です造園土木の事業者が今所有しているものに比べるとかなり安価なものになります。もちろん、デジタルコンパス測量の機器もあるのですが、今回はあえてアナログなものを使用しています。

 選木については、広葉樹林整備は、一般には雑木の整備なので、あまりそこに重点はおいてません。今回の現場は農地沿いの部分は皆伐なので、選木という概念はありませんが、少し奥は、残す木、伐る木を選ぶ必要があります。もちろん、どのような森林に管理していくかという問題もあります。また、最近では大きくなりすぎた危険木を伐採する一方、急な斜面地を丸裸にするわけにもいきませんので、その辺はなかなか現場で監督者個人の判断だけという訳にはいきません。

 今回、興味深かったのは、これまで管理人の経験では植生調査を行なう場合は斜距離で10m四方でチェックをします。森林組合的には測量で区域を決めた範囲内にどれだけの材積があるのかという事が大切なので、水平距離で10m四方、斜面的には換算して区域を定めるということ。また、一定の径以下の細い木は除伐対象ということでスルーします。極めて初歩的な話ですが参考になります。

森林整備実習

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