アジサイは、神戸市制80周年になる1970年(昭和45年)5月に、市民アンケートにより、最も人気のあった花として「市民の花」とされています。このため、ドライブウェイ沿いや多くの箇所でアジサイ類(Hydrangea)をみることができますが、これらは園芸種として改良されたものです。
ちなみに、神戸市立森林植物園では、国内で随一の『 あじさい情報センター 』としてアジサイを収集・保存・展示(350 品種以上、約 5 万株)されています。
URL: https://www.kobe-park.or.jp/shinrin/ajisai/
一方で、六甲山系には、ヤマアジサイのほか、コアジサイやコガクウツギなどのアジサイ属の原種自生が多くみられます。なかでもヤマアジサイは遺伝的多様性が高く、地域性や個体の変異が大きいとされており、美しく繊細な淡紫色が目を楽しませてくれます。
六甲山系の北側に位置する唐櫃地区でも、アジサイの仲間が多くみられ、集落から標高700m(標高差400m)くらいの山頂まで、コガクウツギ、コアジサイ、中間種のアマギコアジサイが見られます。
今回、見学会を実施した箇所は、スギの人工林内の下層に位置するヤマアジサイの群生地です。時期的にも限られており、行っても外れということにはなるかもしれませんが、今回は少し道から離れた箇所で見ることができました。
六甲山系の山の保全については、地域森林の新たな魅力の発見という観点(一般市民のみならず所有者にとっても)も大切と考えています。
下唐櫃ヤマアジサイ見学会